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宮崎哲弥「新書365冊」

帯にあるとおり、「ミヤテツさん読みすぎです!」っていうのがよく分かります。この「新書365冊」は、諸君という雑誌に連載していた「『今月の新書』完全読破」という記事の再録なのですが、宮崎さんは同時期に、週刊文春でも書評の連載をもっており、それが「1冊で1000冊読めるスーパーブックガイド」になっているのです。

  

  

この本では紹介する本を4つにわけています。参考になる良い本を「bestbetter」そしてその他を「more」そして、読んではいけない本を「worst」として紹介しています。

  

  

しかし、「1冊で~」と本書を読んでみると、宮崎さんがいかに趣味ではなく、実務的な読書をなさっているかが分かります。この本で推薦されている本を読めば、この社会の大体の出来事を俯瞰して眺めることができるかと思います。

  

  

新書だからさして難しい内容でもないと思います。新書とはそもそも、難しい学問を分かりやすく大衆に啓蒙するためのものですから、どなたでも読める選書になっていると思います。

  

  

また、この本でも、紹介する作品の要点というか、ざっとした内容を説明してあるので、この本そのものだけで、かなりの知識を得ることができると思います。

  

  

同時に宮崎さんの評論家としてのベースというか土台をささえる、知識の一端を垣間見ることもできました。

  

  

さて、これほどの読書量の宮崎さん、やはり速読をマスターされているのかな?と思っていたのですが、とあるテレビ番組で速読はしていないという発言をなされていました。速読というより、大量に読んでいたら、自然に読むのが早くなったからという興味深い発言でした。まさに、読書がなせる技ですね。

  

  

さて、個人的に面白いのは、「worst」で選ばれている本。客観性に乏しいものや、根拠のないもの、作為的な統計資料に基づくもの、単なる擬似科学、陰謀などのいわゆる「トンデモ本」など、見事に一刀両断、斬って斬って斬りまくってくれています。

  

  

その中でもひとつ面白かったのは、某人気書評サイトが一押しにしていた「東大教師が新入生にすすめる本」について、こう一刀両断しています。

  

  

「生半可な亜インテリたちの東大信仰に付け込もうとする根性が気に入らない。だが、内容はもっと酷い。大方の東大教員が『新入生のために』選んだ本の、現実離れした「高尚さ」に辟易する。これは、学生の能力やニーズをまったく考慮しない、自己満悦のリストに他ならない。独立法人化どころか、国立大学の完全民営化を心底から支持したくなってきた。」

  

  

この書評を読みつつ、そのサイトの紹介記事を読むと、ほくそ笑んでしまう島クマはとっても意地悪なのかもしれません(笑)なんて、読み方もあったりします。

  

  

読書で社会を知ろうという方たち、まさに「社会人のための教養」を知ろうとされる方ならば、オススメの一冊です。

  

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